市ヶ谷〜九段下〜神保町〜小川町をただただ歩く
しばらく前の話になるけど、2月末のある日、iPhoneにインストールされている「ヘルスケア」アプリで勝手に歩数が記録されていることに気がついた。なんと、iPhoneを買った日からのデータが全て記録されてグラフで表示されている。何月何日にどれくらい歩いたかが一目瞭然でわかるグラフ。とてもわかりやすい。それまでは、歩数など気にもかけていなかったけど、ヘルスケアアプリが自動的に歩数を計測しているということに一旦気がついてしまうと、毎日の歩数が気になってしょうがない。元々通勤で比較的歩いてはいたのだが、実際に何歩歩いているかということについては無知であり、グラフ化された歩数はとても新鮮だったということもあるのかもしれない。とにかく毎日が無駄に「歩数、歩数、歩数」になった。
そんなわけで、万歩計生活が始まって3ヶ月。1日の平均歩数は1万5000歩を超えるようになった。歩くときは必ずスマホを携帯。そんな生活。緊急事態宣言発令中は買い物などもできるだけ控える生活で、運動不足になりがちだったが、このライフスタイルの変化の陰で減量にも成功。一時帰休中も感染拡大に寄与しなければ良いだろうということで、人ごみを避けて歩いた。新型コロナが猛威を奮う中ウォーキングをしていたのは、決して、「あまのじゃく」とか、「怠け者の節句働き」というわけではないというのはここだけの話。
この3ヶ月培った徒歩能力のおかげで、長距離の散歩が可能に、いや、むしろ歩くことが快感になっている。緊急事態宣言が解かれたので、先週の土曜日、少し時間ができたこともあり、(堂々と)曙橋駅から馬喰横山駅まで歩いてみた。途中から思いたって写真を撮りながら歩いたので、その記録を忘れないうちに残しておきたいと思い、久々にリアルワールドをブログを書くことにした。何の変哲もない、曇り空の平凡な写真ばっかりだけど、後々、こういう「盛っていない」写真の方が見ていて趣深かったりすると思う主観に基づいてあえて厳選してません。
歩き始めは曙橋駅だけど写真を撮り始めたのは九段坂上から。靖国神社があるところ。丁度鳥居があって、新型コロナに打ち勝とうみたいなことが書かれた横断幕が貼られていた。新型コロナ、今後どうなることか。早くワクチンができるといいけど。
交差点には「sagafred」という名の新しいエスプレッソカフェが。まだオープンしていなかったが近日中に開きそう。
ここから坂を下り神保町方面へと続く。途中品川弥次郎の銅像や常灯篭などがある。常灯篭は明治4年にできた灯篭で品川沖を行き来する船の灯台としても機能したらしい。九段坂はかつては急な坂だったらしいけど関東大震災後に今のような緩やかな坂に改修されたみたい。
常灯篭から少し下りると皇居の堀と昭和館がある。坂の上から眺める堀は、蓮の葉が青々しく覆っていて初夏を感じさせる。昭和館の入り口には「あの日の昭和がここにある」。入ったことはないけど、戦時中の暮らしとかが展示されているのかな?外装からは中が想像できない綺麗にデザインされた立派な建物。別に深い意味はないのだけれど、ふと京極夏彦の魍魎の匣にあった「箱は外側にしか存在価値がないのだ」という言葉を思い出した。
坂を下り切ると九段下交差点。内堀通りと交差し地下鉄の入り口がある。
少し歩くと川があって、その上を首都高速が走っている。橋の名前は「まないたばし」。
まないたばしから少し歩くと神保町。見慣れた風景。古本屋の町。
寄り道をしなければ、小川町まですぐにたどり着く。先々週は、この界隈の某サーフショップで半額のアルメリックのサーフボードを買った。
小川町から先はビルが連立する比較的ボアリングな街並みが続く。ここで初めて歩いている道が「靖国通り」という名前であることを知る。交差する道の名前は比較的すぐに見つけられのに、歩いている道の名前はなかなか見つからないもどかしさよ。
以上、距離にして6キロちょいの道のり。散歩は楽しい。ありがとうヘルスケアアプリ。
散歩後は自宅近くの銭湯で汗を流して帰宅。コロナ前だとそれほどでもなかったかもしれないけど、ちょっとした贅沢というか、幸せを感じた土曜の午後だった。やっぱり日常っていいな。